ポイント😤
- 思い切ったシンプルな設計
- 近すぎるほど近い
- 悪天候には滅法弱い
喜怒哀楽を爆発させる
「日立台」の愛称で親しまれているサッカー専用スタジアム。
日本には珍しいクラブ所有のスタジアムですが、陸上競技場への移転をめぐり、クラブ、サポーター、行政を巻き込んで揉めに揉めた時代もありました。
発端は1995年のJリーグ昇格時、レイソルが柏の葉公園総合競技場をホームとする予定だったこと。つまり日立台は、陸上競技場が完成するまでの仮住まい。
移転を前提としていたことが結果的に「こんなに近くていいのか」と驚くほど臨場感溢れるスタジアムを生みだしたのです。
しかし、行政もクラブも乗り気だった全面移転をサポーターは許しませんでした。
彼らは日立台にまぶしいほどの愛情と執着心を見せ続け、陸上競技場への移転を阻止したのです。
無駄が無い
とにかくピッチとスタンドが近く、無駄なスペースは一切ありません。ヤマハスタジアム、NACK5スタジアムと並ぶ国内屈指の近さです。
なにしろ柏サポーターにとっては、フクダ電子アリーナでさえピッチまでの距離が遠いとか。
少し高さのあるメインスタンド中央からでも、期待を裏切らない近さ。この近さと武骨なたたずまいが、独特の雰囲気に一役買っていることは間違いないでしょう。
「戦こそサッカーの本懐」と言わんばかりの日立台は、のんびり観戦したい人には不向き。ここは喜怒哀楽を爆発させる場所です。
増築されたスタンド
柏の葉との決別を決意したクラブは、2012年、ホームゴール裏とメインスタンドホーム側を増築。新設されたスタンドは、それ以前のスタンドより傾斜が増していることがわかります。
均一性なんていらない、ホーム偏重の左右非対称なスタジアムの出来上がりです。
一国一城の主
クラブが所有するスタジアムであるがゆえに、スタジアムの問題はクラブの問題。
ACLの試合ではゴール裏立見席は使えません。
さらにゴール裏以外にも、屋根の無いスタンド、あまりにも狭すぎるアクセス道路など課題は山積み。
なかでも悪天候に滅法弱い構造は、観客を遠ざける大きな要因でしょう。
個人的に最も不満を感じるのは、増設部分以外の傾斜の緩さです。
クラブがどれだけ野心を持って改善に取り組むことができるのか。臨場感や一体感は魅力ですが、設備面に不満を感じている人が多いことも事実。
とは言っても、日立台のもつ独特の雰囲気は何にもまして魅力的。この魅力をそのままに、さらに充実したスタジアムへと進化させてもらいたいものです。
桜咲き誇る日立台
春になるとバックスタンド裏の桜が綺麗に咲き誇ります。
個人的には、メインスタンドの高い位置から眺めるこの桜が大好きです。
櫻井氏のバックにも、桜の花が咲いていました。