ポイント😀
- 見掛け倒しの屋根
- どの席からも見やすいスタンド
- 鹿島サポーターは好青年
とんでもない僻地
茨城県鹿嶋市は、関東最果ての地。鉄道交通が発達した明治期以降、近代化から取り残されてしまった地域です。
この地域を一言でいうと、僻地。都会から遠く、へんぴな土地を指す言葉です。
この僻地にスタジアムが誕生したのは、1993年3月のこと。Jリーグ誕生にあわせ、当時としては画期的な約15,000人収容のサッカースタジアムが建設され、アントラーズはオリジナル10入りを認められました。
その後、2002FIFAワールドカップ開催を機に新たに2階席が設けられました。
もともとコンパクトで臨場感溢れるスタジアムでしたが、後に増築された2階席にもしっかり傾斜があり、どの席からも非常に観戦しやすいのが特徴です。
ところが、この田舎町にはせっかくの素晴らしいスタジアムを満員にする力はありません。常に空席が目立つ残念なスタジアム。
こんな僻地に、身の丈に合わないスタジアムを建てればどうなるかなんてことは、誰にでも想像がつきます。クラブ関係者も「減築した方がいい」などと言い出す始末。
ワールドカップ開催地に選ばれる政治力はあっても、大きくなったスタジアムを活かす力は無かったようです。
さらにクラブは新スタジアム建設構想を発表。完成した暁には、このスタジアムは取り壊すのでしょうかね?
スタンドを覆う屋根は見掛け倒し
ほれぼれするような美しいアーチ型の屋根がスタンド全周を覆っていますが、意外と奥行きがありません。
1階席はおろか、2階席にもあまり架かっていないため、雨が降るとほとんどの席がずぶ濡れになります。
そのうえ、屋根と座席の隙間も広いため、後ろから降り込んでくる雨も気になります。要するに、見掛け倒しの役に立たない屋根ということです。
どの席からも観やすい
箱型の1階席でも、楕円形の2階席でも、どの席を選んでも失敗のないスタジアムです。
増築してから20年近くが経ちますが、いまだに関東地方にはこのスタジアムを超えるスタジアムはありません。
すべてのジャンルはマニアが潰す
エンターテイメントの世界では、マニア化したファンが保守的、排他的になり、ジャンルそのものが潰されてしまうことがあるようです。
古参サポーターは、自分がクラブを支え続けているという意識が強く、それはとても素晴らしいことですが、鹿島アントラーズの一部サポーターは評判がよくないのも事実。
閑古鳥が鳴くスタジアムに活気を取り戻すためには、新規ファンを取り込むことが大切です。
僻地の宿命
一番の問題はスタジアムの外です。
公共交通機関が発達していない環境下では、自家用車での来場者が多く帰りの渋滞は避けられません。
苦痛な時間を避けるため、試合終了を待たずに席を離れる人の数は、他のどのスタジアムよりも多いように感じます。