ポイント🚌
- 工業団地の片隅
- 残念な屋根とゴール裏
- 陸上競技場へほぼ移転
「グリーンスタジアム」の名は伊達じゃない
栃木県宇都宮市の清原工業団地は、国内最大級の規模を誇る内陸型の工業団地です。団地内には、大手企業の研究室や工場がずらりと並びます。
そんな清原工業団地の片隅にひっそりと佇んでいるのが、今回紹介する栃木県グリーンスタジアムです。
大規模な工業団地に立地するのですから当たり前といえば当たり前ですが、スタジアム周辺は広々とした道路が整備され、常に大型トラックが行き交っています。
ところがスタジアムに入ると一転、まるで森の中のような心地よさと開放感を味わえます。そのうえ、地形の凹凸を活かし木々に囲まれた窪地に建設されているため、周囲の喧騒がウソのように静か。
「グリーンスタジアム」の名は伊達ではありません。
唯一の屋根は役立たず
唯一屋根があるのがメインスタンド。ところが中途半端で隙間の大きな屋根は、どう見てもあまり実用的ではありません。
雷都と称されるほど雷の多いこの地域でこれは酷い。困ったものです。
ほどよく傾斜のついたスタンドは、見やすさという点では申し分ないだけに、中途半端な屋根が悔やまれます。
栃木SCの成長とともに改修
1993年に開催されたインターハイのために建設されたスタジアムは、ジェフユナイテッド市原、横浜マリノス、大宮アルディージャ、水戸ホーリーホックと多くのクラブが公式戦を開催してきました。
ちょうどJリーグ開幕頃に完成したわけですが、当時は座席があるのはメインスタンドだけ、それ以外は芝生席が広がっていました。
スタジアムの拡張が始まったのは、栃木SCがJリーグに昇格してから。2011年にバックスタンドを座席に、2012年には両ゴール裏席を立見席に改修し、現在の姿になりました。
インターハイのためのスタジアムからプロ仕様のスタジアムへ進化を遂げた今もなお、木々に囲まれた独特な雰囲気は変わらず保たれています。
ところが、残念なのがゴール裏席。傾斜が緩くピッチからの距離も離れているため、非常に見づらいです。
改修の際にもう少し手を加えてほしかった部分ですが、もうどうにもならないでしょう。
ライトレールの開業
2023年、宇都宮ライトレールが開業。「グリーンスタジアム前」停留場が設置されたことにより、公共交通機関を利用したアクセスが劇的に改善しました。
陸上競技場へほぼ移転
2020年、カンセキスタジアムとちぎが完成。栃木SCは、公式戦の大半をこの25,000人収容の陸上競技場で開催することになりました。
球技専用スタジアムから陸上競技場への移転なんてとんでもない!と思われがちですが、駅から徒歩圏内の完全屋根付きスタジアムは魅力的。おまけに新しくて綺麗で評判も上々。
目立った反対運動は無かったようです。