ポイント🏆
- ワールドカップはウイングスタジアムで開催
- 座席を改修
- 昔は凄かった
存在感が無い
かつて神戸港はシンガポール以上の国際貿易港でしたが、今はせいぜい関西地区を代表する貿易港。衰退の続くこの都市に打開策はあるのでしょうか。
1985年夏季ユニバーシアード開催のために建設されたこの巨大な陸上競技場は、神戸市須磨区の山林を切り開き整備されました。
2002FIFAワールドカップ会場として立候補した神戸市は、当初はこのスタジアムをワールドカップ仕様に改修する予定でしたが、ワールドカップ基準を満たすための屋根の設置、室内練習場や座席などの設備面の改修に想定以上の費用がかかることが判明。
熟考に熟考を重ねた末にたどり着いた答えは、神戸ウイングスタジアム(ノエビアスタジアム神戸)での開催。
これが運命の分かれ道。改修を見送られた陸上競技場は、表舞台から遠ざかることになりました。
山を削り開発した内陸部の衰退が著しい神戸市を象徴しているような出来事です。
決して満員になることはない
旧国立競技場を彷彿させる、すり鉢状の巨大な陸上競技場です。
かつては関西随一のスタジアムとして君臨し、日本代表やJリーグオールスターゲームなどの大舞台で活躍。東の国立競技場と渡り合う事のできる、西の横綱的な立ち位置でした。
しかし、長居スタジアム(1996年)の完成、ヴィッセル神戸の移転(2003年)と時代が移り変わるなかで存在感を失いました。
今となっては信じがたいことですが、このがらんとした観客席が、大勢の観衆で埋まっていた時代があったのです。
バックスタンドに用意されている上層スタンドも、使う機会は滅多にありません。
こうなってしまっては、この巨大な陸上競技場の存在意義さえ疑問に感じます。
貧弱な屋根
屋根が架かっているのは、メインスタンド後方に少しだけ。多くの観客は野ざらしです。
座席を改修
2022年、座席を改修。
築年数が古いこともあり、設備面では2002FIFAワールドカップに向けて誕生した巨大スタジアムと比較すると見劣りしてしまいますが、少しだけ快適性が増しました。
野球場
駅を挟んだ反対側には、かつてはプロ野球球団の本拠地だった野球場があります。
野球場ではプロ野球が、陸上競技場ではJリーグの試合が開催されていた公園ですが、現在ではどちらも無用の長物に成り下がりました。