ポイント🚋
- 山を切り崩し建設
- ビッグアーチ?
- 驚くほど窮屈
壮大な失敗作
1994年のアジア大会を開催した陸上競技場です。
市街地から遠く離れた土地に建設されたため、完成当初からアクセスに問題を抱えていました。四半世紀が過ぎた今もこの問題は解決していません。
むしろ周辺の開発により駐車場が減少し続け、問題はさらに悪化しています。
なぜこんな場所に、こんなに大きなスタジアムを建設してしまったのか、理解に苦しみます。
さらに、広島市はこのスタジアムの両サイドスタンドに大きな仮設スタンドを設置し、2020年のオリンピック開催!!なんてことを目指していた時期もありました。
ところが、あまりにも非現実的なこの構想に世間の反応は冷ややかでした。
ところで、サンフレッチェ広島のマスコットは中国山地に生息するツキノワグマがモチーフです。
熊の生息地である山地を破壊して建設された場所で、熊をマスコットにしたクラブが試合をするなんて、あまりにも無茶苦茶です。
西日本のツキノワグマは、絶滅のおそれがあるほど追い込まれています。
小さくてもビッグ
愛称の「広島ビッグアーチ」の由来は、メインスタンドに架けられた屋根。
ところが、スタジアム唯一の屋根はメインスタンド後方の一部の席に架かるだけ。こんな小さな屋根で「ビッグアーチ」だなんて何かのギャグでしょうか。
福岡市の「ベスト電器スタジアム」の方が、よっぽどビッグアーチ感があります。
2002FIFAワールドカップの試合会場に立候補したものの、FIFAの定める基準より屋根が少なく、そのままではワールドカップを開催することは不可能でした。
すると広島市は、バックスタンドに屋根を架けることを嫌がり、立候補を取り下げてしまいました。
自ら「ビッグアーチ」と名乗る割には、屋根に対するこだわりは無かったようです。
ベンチシート
ACLでは、ベンチシートは座席として認められません。
メインスタンドとバックスタンドの一部以外は使用できない、何とも中途半端で間抜けな姿です。
延々と続くベンチシートは、ACLの試合では存在しないのと同じということです。
異常なほど窮屈
空席ばかりが目につくスタジアムですが、座席の前後幅は強烈な狭さ。着席すると前席に膝がぶつるほど窮屈。
うっかり真中の席に座ろうものなら後悔の極みを味わう羽目になりそうです。何しろトイレに行くだけで相当なエネルギーを使うのですから。
もちろん、通路側の人は目の前を人が通るたびに立ち上がらなければなりません。
満員になることは無いのに座席は窮屈…
新スタジアムが完成し、ようやくこの失敗作とお別れすることができました。